子供が頻繁に熱を出すとき、中耳炎を切開すればかなり症状が軽くなります。
しかし、それでも熱が下がらない場合にはどのように対処すればよいのか迷う人は多いです。
今回は、中耳炎切開についての情報を紹介します。
子供は中耳炎になりやすい
子供は中耳炎にかかりやすく、特に3歳以下の小さい子供は一度発症すると治りが遅く、たとえ完治してもすぐに再発する可能性が高いです。
また、小さい子供は様々な器官が未発達で、滲出性中耳炎が続くと耳にかなりの負担を与え、場合によっては言葉の発達が遅れたり、耳周辺の骨や組織が発育不良になるなどの問題があります。
高熱が続くことで体力もすぐなくなりますし、鼓膜を切開して早期の回復を目指すことが多いです。ただ、薬などで切開せずに治しても、切開して熱を下げた場合でも、やはり再発の可能性は同じようにあります。
切開した場合、周辺の組織の炎症を食い止めることができる可能性もありますので切開についてあまり神経質になる必要はありません。切開後に熱が下がらないケースも見られますが、数日様子を見ていると徐々に下がる場合は心配いりません。
中耳炎切開とは
中耳炎切開というとかなり怖い治療のように感じる人も多いですが、実際にはそれほど大げさなものではありません。
メスで鼓膜に3~4mm程度の穴をあけて、そこから膿を吸い出すとともに、鼓膜がふさがるまでの間換気を良くします。
切開後に熱が下がらない場合、膿を出しても炎症がまだ残っている可能性が高いですが、換気をすることで膿や炎症も徐々に改善していきますので次第に落ち着いてきます。
鼓膜は切開しても徐々にふさがっていくため、耳の聞こえが悪くなるようなことはありません。中耳炎を繰り返して何度も切開する子供もいますが、同じ場所を傷つけると鼓膜が厚くなって聞こえ方が変わることもあり、頻発する子供には換気チューブを挿入するなどの対処を行います。
手術中は麻酔をかけますので痛みはほとんどなく、処理後も徐々に痛みや聞こえは回復します。
切開のリスク
鼓膜を切開することのリスクはそれほど高くありません。鼓膜は再生能力が高く、穴をあけても徐々にふさがるからです。
ただ、鼓膜は物音を聞くという大切な役割を担っていますので、大きな傷をつけたり何度も切開することは好まれません。マメやタコができるように、同じところに刺激を与え続けると硬くなってしまいますので、聞こえ方に変化が見られます。
数回程度の手術ならば大丈夫ですが、それ以上回数が増えた時にはチューブの挿入などで対処します。病院にもよりますが、月2回を超える切開はやはり避けたほうが良いと言われるでしょう。
なお、切開後は鼓膜に穴が開いた状態が続くため、シャンプーの時には耳に水が入らないように気をつけましょう。また、水泳なども病院で確認をしてから行う必要があります。鼓膜がふさがると、普段通りの生活に戻れます。
熱が下がらないときは
このように、中耳炎切開をしたからと言って発熱のリスクが増えることはありません。中耳炎切開を行っても熱が下がらないという場合には、同じタイミングでほかの病気による発熱が考えられますので、内科や小児科などで受診してもらいましょう。
中耳炎切開後にそれほど大きく体調を崩すことは少ないですが、人によってはめまいや胃のむかつきなどを感じることがあります。この場合には、しばらく安静にしておくと徐々に回復することがほとんどです。
痛みに関しては、元々中耳炎による炎症等で傷みを感じていた場合、切開後もしばらくは続きますが、徐々に落ち着くでしょう。切開による痛みを感じる人はほとんどおらず、麻酔が切れてから急に痛くなる心配はありません。
中耳炎切開後の熱について
このように、小さい子供が中耳炎になり切開をしても熱が下がらないケースは、他の病気が考えられ、このケースは多くあります。
子供の熱に関して親は敏感になりがちですが、切開後は他の原因として考えるのが無難ですから、あわてずに専門医に診てもらいましょう。
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