なんとなく耳の調子がよくない。中耳炎かな?それとも難聴なのかな?
どちらも気になる症状ですが、その違いがわかりますか?
症状によって治療法も変わってくるので、まずはそれぞれの症状をしっかり把握することが重要です。
今回は、中耳炎と難聴の違いを見分けるポイントをまとめました。
中耳炎とは
中耳炎には急性中耳炎と、滲出性中耳炎があります。
急性中耳炎
急性中耳炎は、細菌やウイルスが耳管を通り、中耳に感染し炎症を起こすことで起こります。特に乳幼児に多く見られる症状で、大人が発症すると重症化する可能性があります。
症状としては、発熱や激しい耳の痛みが特徴なので、突発性難聴と間違える人も多くいます。また、風邪と一緒に発症する場合が多いので、鼻水や頭痛といった症状もみられます。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎は、中耳に浸出液が溜まることで起こります。急性のものと違い、発熱や激しい痛みがないので気づくのが難しい症状です。
自分の声が中に響いて聞こえる、最近耳の聞こえが悪いと思ったら滲出性の可能性を疑ってみましょう。まだ小さいお子さんが、最近呼びかけても返事をしなくなった、テレビの音量が大きくなったという場合、滲出性中耳炎だったということもあります。
中耳炎は子供が発症しやすい病気です。日常の変化で保護者が判断して、医療機関を受診するのが大切です。
難聴とは
難聴には突発性難聴と急性音響性難聴が多いです。
突発性難聴
突発性難聴とは、名前の通り突然音が聞こえなくなったり聞こえずらくなる耳の病気です。原因不明なものが多く、片方の耳に症状が現れるのが特徴です。
急性音響性難聴
急性音響性難聴とは、音響外傷やイヤホン難聴とも呼ばれます。イヤホンやヘッドフォン等で大音量の音楽を聴き続ける等、大きな音を聴して耳を痛めて発症する可能性があるのが特徴です。
難聴になったときは、早期治療が聴力回復のカギとなります。発症してから1ヶ月以上が経過すると、回復が難しくなるのでできれば1週間以内、遅くとも2週間以内には医療機関を受診するようにしましょう。
中耳炎か難聴かを判断するポイント
中耳炎か突発性難聴かを判断するポイントは、内耳での炎症の有無です。
また、症状が現れる前に風邪や発熱があった場合は、中耳炎の可能性が高くなります。
突然聞こえなくなった、めまいもするという場合は突発性難聴を、音楽を大音量で聴いてから耳がおかしいと思った場合は、急性音響性難聴を疑いましょう。
どちらにしても、自己判断で薬を服用することだけは避けた方が良いです。耳に気になる症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な処置を受けることが大切です。
中耳炎の治療方法
急性中耳炎の治療法としては、抗生物質を服用することが多いです。痛みが激しく我慢できない時や、高熱のときは医師と相談することで処方してくれます。
また、中に膿が溜まっている場合は回復を早めるために、鼓膜をメスで切り溜まった膿を出すという処置をすることがあります。(中耳炎の切開)
これによって、膿が外に排出されるので痛みは落ち着くでしょう。
切開といっても、鼓膜の腫れている部分に針のようなものを刺し膿を出すだけなので、それほど時間をとられることもありません。切った穴は自然にふさがるので安心です。
滲出性中耳炎の場合は、急性中耳炎を放っておいて発症した場合と、アレルギーなどで鼓膜が腫れて起きている場合があります。そのため、耳の治療だけでなく、滲出性中耳炎の原因となっている部分をしっかりと治療することが完治への近道となります。
中耳炎の予防方法
中耳炎は風邪をきっかけに発症することが多いのが特徴です。
ですので、風邪の予防をすることが中耳炎の予防にもつながります。外出先から戻ったら手洗いうがいを徹底する、バランスのとれた食生活、規則正しい生活が重要になります。
また、定期的に耳鼻科で耳をチェックしてもらうのも良いです。滲出性中耳炎は、自覚症状があまりないので定期的なチェックをすることで、耳の異常の早期発見ができ予防にもつながります。
特に小さいお子さんは、自分でうまく説明することが難しい場合が多いので、保護者が定期的に耳鼻科につれて行くようにしましょう。
鼻のかみすぎも中耳炎につながる場合があります。強くかみすぎたり、一気にかもうとせずに適度な強さで何回かにわけて鼻をかむように意識しましょう。
鼻のすすりすぎも、耳に細菌が入っていきやすくなるため避けるようにし、こまめに鼻をかむようにしましょう。
中耳炎と難聴の違い まとめ
中耳炎か突発性難聴かを判断するポイントは炎症の有無です。また、症状が現れる前に風邪や発熱があった場合は、中耳炎の可能性が高いです。
突然、片耳だけ聞こえにくくなったり、大音量で音楽を聴いて耳を傷めてしまった場合は難聴の可能性が高いです。
いずれにしても、耳はデリケートですから、不安な場合は早めに医療機関を受診し、適切な処置を受けるましょう。難聴の場合は、特に早期治療が聴力回復のカギとなることも多いです。
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