妊婦の「つわり」と「逆流性食道炎」にはどんな違いはあるのでしょうか?
実は、これを見分けるのは、難しいといわれています。
今回は、妊婦のつわりと逆流性食道炎の症状の違いを説明します。
「妊婦のつわり」と「逆流性食道炎」の症状の違い
胸焼けが「ムカムカ」か「チリチリ」か
妊婦のつわり:ムカムカするような胸焼け
逆流性食道炎:チリチリ焼けるような胸焼け
「妊婦のつわり」と「逆流性食道炎」は少し違います。上記のように胸焼けは妊娠初期のつわりだとムカムカするような胸焼けですが、逆流性食道炎の胸焼けはチリチリ胸が焼けるような痛みを伴う胸焼けといわれています。
妊娠9週目前後でピークを迎えるか?
また妊娠初期のつわりといっても個人差はありますが、妊娠9週目が妊娠のつわりのピークといわれており、ピークを過ぎると胃のむかつきや、胸焼けの症状は軽減されていくといわれています。
逆に、逆流性食道炎はつわりのピークを過ぎても症状が軽減することはあまりありません。
胃酸の逆流によって胸焼けや呑酸の症状は、子宮が大きくなればなるほど症状が出やすくなるので、妊娠9週目を過ぎても胸焼けの症状が軽減されなければ、逆流性食道炎を疑ったほうが良いでしょう。
出産しても胸焼けがあったら逆流性食道炎
妊娠初期を過ぎても吐き気や胃のむかつきなどがある場合は、逆流性食道炎と考えるべきでしょう。妊娠後期でも胸焼けや呑酸が続き出産後も続くようであれば、一度内科などで診察してもらいましょう。
なぜ妊婦は逆流性食道炎になりやすいの?
逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流してしまうことで炎症が起き、胸焼けや呑酸などの症状がある病気です。
一般的には、食生活やストレス、姿勢や体質などの理由で、胃酸が過剰に分泌され、胃酸が逆流してしまったり、胃と食道をつなぐ下部食道活約筋が、胃酸の逆流を防げないほど緩くなってしまったりし、症状がひどくなっていきます。
ただし妊婦は、それ以外に逆流性食道炎になりやすい原因が2つあります。
これら理由が、妊婦は逆流性食道炎になりやすいといわれる理由なのでしっかり理解しましょう。
1. 胃が圧迫されやすい
妊娠により、子宮が大きくなることで、胃が圧迫されてしまいます。
この影響で、胃が消化不良を起こしやすくなったり、また胃酸が食道に逆流しやすい状態になってしまうことから、妊婦は逆流性食道炎になりやすいといわれています。
2. 黄体ホルモンが分泌される
黄体ホルモン(プロゲステロン)は妊娠に必要なホルモンです。
ただこの黄体ホルモンは、消化器官の働きを弱めてしまうホルモンでもあり、胃が消化不良を起こしやすくなり、胃酸が過多状態になり食道に逆流してしまいます。
このことで逆流動性食道炎になってしまうと考えられています。
妊婦の逆流性食道炎の対処法
1. 胃に負担をかけない食事にする
油っこい食べ物や消化の悪い食べ物は避けましょう。
野菜はビタミンやミネラルも豊富で、胎児に必要な栄養素もありますから、バランス良く摂るようにしましょう。できるだけ茹でたりし温かく柔らかい温野菜にするとより良いです。
2. 食後は上半身を横たわらせない
食後は、胃酸の分泌が活発にされており、体を横たわらせてしまうと、胃酸を食道に逆流させてしまいます。食後3時間は横たわらないようにしましょう。
体を休めるときは背中にソファなどをおいて、上半身が完全に横たわらないようにしましょう。
3. 身体を締めつけるような服装は避ける
身体が締め付つけられると、胃酸を逆流を促してしまいます。食後はベルトを緩めるなど、ひと工夫するなどしましょう。
妊婦はただでさえ胃を圧迫させやすいので、マタニティウェアなど身体を締めつけないゆったりした服装にしましょう。
4. ストレスを解消する
ストレスは、逆流性食道炎の症状をひどくすると考えられています。胃と食道をつなぐ下部食道活約筋が、胃酸の逆流を防げないほど緩くなってしまうのは、ストレスが原因と考えられています。
胎児のためにもストレスは良くないので、ストレスはこまめに解消しましょう。
妊婦の『つわり』と『逆流性食道炎』の違いまとめ
いかがでしょうか?「妊娠のつわり」と「逆流動性食道炎」の違いは理解できましたか?
妊娠を機に、逆流性食道炎になってしまう人も多いようです。ぜひ注意してくださいね。
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