認知症は専門の病院やクリニックで診察してもらいましょう。
最近では「もの忘れ外来」などがあり、専門的な診断や検査をしてくれます。
とはいえど、実際はどのような検査をするのでしょうか?もの忘れ外来の検査についてまとめました。
認知症の専門治療ができる『もの忘れ外来』
認知症の検査や診断ができるのは、心療内科や神経内科などがありますが、近年の認知症の急増に伴い、全国的にもの忘れ外来が設置されるケースが多くなってきました。
もの忘れ外来では専門医による診察や検査が受けられます。
また認知症と疑われれている本人が診察を拒否することが非常に多いのですが、もの忘れ外来では、診察するまでのアドバイスなども電話でしてくれるところがほとんどです。
まずはお近くのもの忘れ外来がある病院やクリニックに相談してみましょう。
認知症の検査
問診や認知症チェックテスト
専門医による問診では認知症と疑われる本人にもいろいろ質問し、認知症チェックテストを実施します。具体的には以下のような質問があります。
認知症チェックテスト
- 今日は何月何日で何曜日ですか?
- あなたは何歳ですか?
- いまあなたはどこにいますか?
- 100-7は?さらに-7は?
- 知っている野菜をできるだけ教えてください。
- 8、6、9、3。これを逆に言ってみてください。
- 犬、猫、猿、鳥。これを逆に言ってみてください。
また同伴しているご家族の方にも、問診があります。
- どのぐらいの時期から異変があったのか?
- 私生活にどれだけの影響が出ているのか?
- 元々の性格はどんな性格だったのか?
- 食事はしっかりとれているか?
- 趣味などに対して意欲的か?
- 睡眠はしっかりとれているのか?
- 失禁や頻尿はあるか?
このような問診があり、専門医が総合的に判断し、アドバイスをしてくれます。ただし問診や認知症チェックリストだけで認知症と判断することはほとんどありません。
画像による検査
CTやMRIで脳の萎縮や梗塞、出血の有無や血流などを画像で検査します。
CT検査
CT検査はエックス線を使い、脳を輪切りして撮影します。
認知症と疑われている本人の脳が委縮を確認することができます。
また脳腫瘍や脳梗塞などの有無を検査することもできます。
MRI検査
MRI検査はCT検査とは異なり放射線を使わない検査方法です。
人体の磁気共鳴作用を利用して、縦、横、輪切りによる撮影が可能なことから脳を三次元的に分析することができます。CTより高度な技術の検査といえます。
SPECT検査
SPECT検査は脳の血流状態を画像で見ることのできる検査方法です。
アルツハイマー型痴呆症患者の脳は、血流の減少があるので、血流の減少部位を確認するために検査します。
身体検査
認知症の原因となる疾病があるか身体検査でチェックします。
主に尿検査、血液検査、内分泌検査、血清梅毒反応、胸部X線写真、心電図検査などをします。
特に認知症の血液検査では、MCIスクリーニング検査とAPOE遺伝子検査が有名です。
MCIスクリーニング検査
MCIスクリーニング検査では、アルツハイマー病の原因物資「アミロイドβペプチド」が血液にどれだけ含まれているのかをチェックします。結果がわかるまで2週間ほどかかります。
APOE遺伝子検査
APOE遺伝子検査では、アルツハイマー病や認知機能低下に関与する重要な遺伝子であるAPOE遺伝子の型を調べて、認知症の発症リスクを推定する検査です。APOE-4型が2本ある人(ホモ型)は、認知症のリスクが15倍高まります。結果がわかるまで2週間ほどかかります。
脳波検査
脳から出る微弱な電気を計測することによって脳の働きをチェックする検査です。脳腫瘍、頭部外傷、脳血管障害、睡眠の異常などを発見できます。
もの忘れ外来の診断や検査のまとめ
認知症の検査では、問診や認知症チェックテスト、画像による検査、身体検査、脳波検査などの4つの検査をすることになるでしょう。
MCIスクリーニング検査やAPOE遺伝子検査などの血液検査は15000円~20000円ぐらいかかる検査です。必要に応じて検査しましょう。
認知症には、アルツハイマー型認知症以外にも、脳血管型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあり、診断結果によって治療薬も変わってきます。
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