認知症の治療薬にはめまいや下痢、興奮して暴言や暴力などの副作用の心配があります。
副作用に悩まされている認知症患者の家族にとっては、比較的副作用が少ない漢方薬がおすすめです。
今回は認知症に効果が期待できる漢方薬を紹介します。
副作用が少ない認知症の漢方薬
1. 抑肝散(ようかんさん)
抑肝散は、神経の高ぶりを沈める漢方薬です。行動や心理症状を改善する効果が期待され、認知症患者の興奮や不安などの症状に有効です。
抑肝散は、興奮の状態を抑えながら、意欲は向上するといったバランスの良い状態に保ってくれます。
副作用が少ないとは言っても、まったくないわけではありません。低カリウム血症やむくみ、血圧上昇などの症状があらわれることがあるので注意が必要です。カリウムを多く含む野菜や果物を摂取してもらえるようにしましょう。
抑肝散は医師の処方で出してもらうと保険適用になるので安くなります。専門医に相談して処方してもらいましょう。
2. 抑肝散加陳皮半夏(ようかんさんかちんぴはんげ)
抑肝散加陳皮半夏は、神経の高ぶりを沈める漢方薬です。抑肝散が、ある程度体力のある人からやや体力の落ちる人に用いるのに対し、抑肝散加陳皮半夏は、身体が衰弱している人に使用します。
興奮の状態を抑え、意欲は向上するといったバランスの良い状態に保ってくれます。
高齢で神経症状が強く、嘔吐といった消化器症状を伴う症例には良いとされています。認知症の治療薬アリセプトとの併用においても有用性をもたらします。
認知症の周辺症状によく効くといわれていますが、誰にでも効くとは限りません。認知症の治療薬と同様で、効果や副作用には個人差がありますから、専門医に相談はしましょう。
保険適用になるので安くなります。医師にお願いし処方してもらいましょう。
3. 釣藤散(ちょうとうさん)
釣藤散は、神経の高ぶりを沈める漢方薬です。脳動脈硬化、高血圧、肩こり、めまい、頭痛に良いとされています。
物忘れや頭痛がある場合は、この漢方を検討してみてください。
4. 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
黄連解毒湯は、のぼせ、イライラ、高血圧にともなう諸症状などに用いる漢方薬です。体力がある人で、のぼせ気味、また血圧が高めの人に向いています。
認知症の周辺症状に効果があるといわれていますが、まったく効果がなかったという人もいますから、効果がみられなければ使用をやめましょう。副作用はほとんどありません。
5. 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰芍薬散は、体をあたため、貧血症状を改善する漢方薬です。一般的に女性に用いることが多く、色白で冷え症、やせ型で体力のあまりない人に向く処方です。
具体的には、むくみ、頭痛、めまい、肩こり、更年期障害などに広く適応します。認知症の周辺症状にも効果があるといわれていますので、冷え性の方は試していると良いでしょう。
認知症の治療薬は漢方薬を検討してみて
認知症の周辺症状は、あちこち歩き回って帰れなくなる徘徊、お金を取られたと思い込む妄想や、排泄物をいじる不潔行為などさまざまです。
こうした認知症の周辺症状に、漢方薬は改善する効果が高いと大学の研究によって発表されています。
認知症の周辺症状は、興奮によって暴言や暴力があり、家庭が崩壊するという悲惨な話も聞きます。
周辺症状に効果があるといわれている漢方薬ですが、認知症の治療薬とうまく併用して症状を抑えながら、治療してください。
コメントを残す