認知症の妄想症状の代表的な3種類

妄想にはいくつかの種類や特徴があります。

妄想の原因は認知症患者の周囲のさまざまな環境といわれており、妄想がみられた時には周囲の言動や態度などの対応がとても重要です。

今回は認知症の妄想の種類や特徴を紹介します。

認知症の妄想について

医師3

この認知症の妄想は、本当は違うのに認知症の患者本人にとっては真実であると信じ込んでいる状態をいいます。

幻覚や錯覚とは違い、妄想は認知症患者の周囲の環境に敏感になることで引き起こされることが多く、介護ヘルパーさんにとどまらず、家族や身近な人に対しても、引き起こされることがあります。

妄想については、辛抱強く対応することが重要です。

認知症でよくみられる妄想にもいくつか傾向があるので、その種類と特徴を紹介します。

1. 物盗られ妄想

「誰かが家に入ってきて、お金や宝石を盗まれた。」、「介護ヘルパーが財布を盗んだ。」と、物を盗まれたという妄想のことを物盗られ妄想といいます。

認知症初期にみられる症状で、妄想の80%以上がこの物盗られ妄想といわれています。

この妄想は、認知症患者の女性によくみられます。自分が置き忘れたとか、失くしたと思っているのではなく、「ない」=「盗まれた」と思うのがこの物忘れ妄想の特徴です。

在宅介護ができる状態にみられ、介護ヘルパーが盗んだと訴えるケースが非常に多く、介護施設で生活しはじめるまでになると、物盗られ妄想は少なくなってくるといわれています。

記憶障害や思考力の低下により、疑わしいものを、「そうかもしれない」と考えることができなくなってしまい、「絶対にそうだ」と確信してしまいます。認知症患者本人が移動したものでさえ、記憶があいまいになってしまい、ネガティブに確信してしまいます。これのほとんどがお金や宝石などの貴重品が対象になり、不安な気持ちもあって、物盗られ妄想になります。

また認知症患者本人に、誰かに盗られたのではなく、あなたが失くしたんだよ。と言ってしまうと、認知症患者は否定されたと感じ、ふさぎ込んだり、逆上してしまうことがあります。物盗られ妄想がみられる時は、興奮していることがほとんどなので、まずは探しながら、食事の話など別の話を切り出して、興奮を抑えながら対処していくと、落ち着いてくれる場合があります。

「盗られたのではなく、失くしたかもしれないので、一緒に探しましょう」と、同情していれば時間がたつと落ち着いてくれることが多いです。

2. 被害妄想

「認知症患者だからいじめられている」、「寝ている間に誰かに殺される」、「家族にも無視されている」と、何気ないことをネガティブに考える妄想を被害妄想といいます。

身体の不調や、環境の変化などで引き起こされることが多く、身近な家族などが対象になることが多いです。食欲がないのにも関わらず、食事を出されると、「嫌いなものを無理やり食べさせようと虐待されている」、「この食事には毒がもられている」と言ったような症状で、信頼している身近な家族にでさえ信頼できなくなってしまいます。

ひとりで暮らせなくなり、息子や娘が同居するなど、生活環境が変わるタイミングでネガティブになったり塞ぎ込んでしまったりすることがあります。

認知症患者本人がその環境に慣れ、認知症患者がその環境を不快に思わなくなれば症状が改善することが多いです。またじっくり話を聞いてあげて、共感する姿勢をみせ続けてあげるなど辛抱強くつきあうことが大切です。

3. 嫉妬妄想

旦那が目の前にいないと、女性ホステスを連れてきて「いやらしいことをしている」、お金や宝石などを「貢いでいる」と、旦那が浮気をしているに違いないと妄想することを嫉妬妄想といいます。

妄想の内容が常に同じ内容であることが特徴で、だいたい浮気相手は架空の実在しない人物と思われます。この妄想は圧倒的に女性に多い症状ですが男性にもみられます。

この嫉妬妄想はひどくなってくると、物を投げつけたり、暴力を振るったりし、ほぼ毎日みられるようになります。歳を重ねればさらにひどくなってしまうことが多いです。

パートナーの心労を軽減することを考えましょう。抗精神薬などで症状は緩和することもあるので、なんとか専門医に診てもらい、相談して対処していかれたほうがいいかでしょう。

ただし、浮気をしているのは旦那なのに、どうしてわたしが病院に行かなければならないの?と通院を拒むこともあります。じっくりと話を聞いてあげること、病院の専門医にアドバイスもらいながら、辛抱強く対処しましょう。物忘れ外来がある病院やクリニックでは、こういう相談はたくさんあるので、参考になるアドバイスをしてくれます。

認知症の妄想のまとめ

医師

認知症の妄想には、いろいろな週類があります。介護ヘルパーや家族が認知症患者本人にとって信頼できる人であれば、大きなトラブルとならずに対処できることが多いですが、信頼関係が築けていない場合は辛抱強く誠意ある対応をしていく必要があります。

また被害妄想や嫉妬妄想など、身近な人が対象になる症状になってしまう場合は、介護を別の人に代わってもらったり、施設や病院の入所・入院などを利用し、一時環境を変えてみることも有効な手段です。抗精神薬で症状を緩和する方法も選択肢のひとつです。

また、専門医や介護のプロに相談できる環境を用意しておくことも、とても大切なことです。

家族だけでなくいろいろな人に助けてもらいながら、辛抱強く対処していきましょう。

認知症の基礎知識まとめ|認知症の原因や種類の専門情報

2016.03.09
スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です